をした。この問題は大口顧客に対する損失補填とともに証券スキャンダルへと発展し
た。第120回国会参議院大蔵委員会第1号(1991年8月2日)でも取り上げられた。
石井進・暴力団稲川会前会長の関係会社(北祥産業、北東開発)が、1989年4月頃か
ら秋にかけて東急電鉄株を約2600万株も買い付けた。信用取引で購入し、決済には野
村証券の関連ファイナンスカンパニー等が東急電鉄株を担保に融資した資金が使われ
た。その間の株価は4月末では1720円、6月末は1580円と下がり、9月末には1990円に
上がる。暴力団は株価が安い時に仕込んでいたと言える。
1989年10月以降、東急電鉄の幹事証券会社である野村證券が東急電鉄株をレポートで
推奨し、全支店の窓口販売の主力銘柄にした。10月末には2880円、11月17日には3060
円という最高値を記録した。その後、株価は下落したため、野村證券の強い推奨で東
急電鉄株を購入した投資家には大損した者が多い。国会では野村證券が暴力団関係者
と企み、窓口販売を通して一般投資家に高値で売りつけた疑惑が指摘された。
稲川会に株を買い占められた時に諦めて「稲川急行電鉄」にすればよかった。東急電
鉄は暴力団とやっていることが大して変わらない。実態は、暴力団にとって東急電鉄
株を保有する魅力がなく、暴落の前に売り逃げした。
「東急電鉄グループは、この買い占め騒動に対抗する形で株式の安定化工作を進め、
結果的にこれが東急電鉄グループの力を削ぐ形になったと指摘されています。そし
て、その買占め騒動をきっかけに、東急百貨店、東急エージェンシーなどグループ各
社の経営陣が暴走、グループの力が弱体化するきっかけになったとも指摘されていま
す」(杉村富生『おそるおそるの仕手株売買』明日香出版社、1999年、80
頁)。
http://www.geocities.jp/shouhishahogo/tokyu2.htm
http://ameblo.jp/tokyufubai/entry-10124343394.html


